制度解説

居住サポート住宅とは

居住サポート住宅とは、住宅セーフティネット制度の枠組みのもとで、居住支援法人等が大家と連携し、 入居後の安否確認や見守り、福祉サービスへのつなぎ等の支援を行うことが認定された賃貸住宅です。 本ページでは、制度の目的・対象者・認定の仕組み・大家にとってのメリットまで、公式情報をもとに詳しく解説します。

居住サポート住宅の制度概要

居住サポート住宅は、令和6年(2024年)公布の住宅セーフティネット法改正法(令和7年10月1日施行)により創設された認定制度です。 高齢者・障害者・低額所得者・子育て世帯・被災者などの「住宅確保要配慮者」が安心して住み続けられるよう、 住まい(ハード)居住支援(ソフト) を一体で提供する仕組みとして位置付けられています。

制度の目的

  • 要配慮者の住まい確保と、入居後の生活の安定を一体で支援する。
  • 大家・管理会社が抱える「孤独死」「家賃滞納」「近隣トラブル」等の不安を、居住支援法人等との連携で軽減する。
  • 福祉と住宅の連携を強化し、地域包括ケア・生活困窮者支援との接続を進める。

制度の根拠

  • 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)。
  • 令和6年法律第43号による改正(令和7年10月1日施行)で「居住サポート住宅の認定制度」「認定家賃債務保証業者制度(国土交通大臣認定)」「住宅扶助費の代理納付の原則化」等を整備。
  • 制度の運用は国土交通省・厚生労働省・地方公共団体が連携して行う。

居住サポート住宅の対象者と対象住宅

居住サポート住宅で支援対象となる「住宅確保要配慮者」と、対象となる住宅の考え方を整理します。

住宅確保要配慮者の例

  • 高齢者(特に単身高齢者)
  • 障害者
  • 低額所得者
  • 子育て世帯・ひとり親世帯
  • 被災者
  • 外国人
  • 住宅確保が困難な事情を抱える方(DV被害者・刑余者等)

対象範囲は地方公共団体の供給促進計画によって追加・調整される場合があります。

対象となる住宅

  • 賃貸住宅であり、要配慮者の入居を拒まないこと。
  • 住戸床面積の基準を満たすこと(一般住宅で新築:25㎡以上、既存:18㎡以上。台所・収納・浴室等を共用とする一部共用住宅では新築18㎡・既存13㎡以上、共同居住型〔シェアハウス〕は各専用部分9㎡以上などの基準あり)。
  • 耐震性等の住宅としての基本性能を満たすこと。
  • 居住支援法人等による支援体制を含む居住安定援助計画が整っていること。

認定要件は法令と地方公共団体の供給促進計画により強化・緩和される場合があります。

居住サポート住宅の認定の仕組み

居住サポート住宅は、賃貸人(大家・管理会社)が居住支援法人等(援助実施者)と連携して「居住安定援助計画」を策定し、 福祉事務所を設置する市区町村長等の認定を受ける形で運用されます。

誰が認定するか

認定主体は 福祉事務所を設置する市区町村長(市長・特別区長等) です。 福祉事務所を設置していない町村区域については都道府県知事が認定します。 所在地の認定窓口は市区町村ごとに異なるため、 市区町村一覧 で確認してください。

居住安定援助計画に含まれる内容

  • 住戸の所在地・規模・設備等の住棟情報
  • 連携する居住支援法人等(援助実施者)の体制
  • 安否確認(1日1回以上)・見守り(月1回以上の訪問等)・福祉サービスへのつなぎ等の居住サポートの内容
  • 居住サポートの対価(不当に高額でないこと)
  • 専用住宅の戸数(計画単位で1戸以上)

認定後は、認定計画情報が「居住サポート住宅 情報提供システム」で公開されます。 申請手続きの詳細は 申請方法 をご確認ください。

大家・管理会社にとっての居住サポート住宅のメリット

居住サポート住宅として認定を受けることで、賃貸経営の不安要素を軽減しながら、地域貢献にもつながる仕組みを利用できます。

入居後の見守り体制

居住支援法人による安否確認・定期訪問・相談対応により、 単身入居者の孤独死リスクや緊急時対応の負担を軽減できます。

家賃滞納リスクの低減

居住サポート住宅に生活保護受給者が入居する場合の住宅扶助費(家賃)の代理納付が法律上原則化されています。 また、国土交通大臣が認定する認定家賃債務保証業者の保証も活用しやすくなります。

改修費・家賃低廉化の補助

居住サポート住宅改修事業による改修費補助(バリアフリー・耐震・共同居住型への用途変更・間取り変更・子育て世帯対応・防火消火対策・交流スペース設置・省エネ・安否確認設備・防音遮音等)や、 専用住宅における家賃・家賃債務保証料の低廉化補助の対象となり得ます。

補助金の詳細は 補助金シミュレーター や交付事務局の最新の募集要領をご確認ください。

居住支援法人の役割

居住サポート住宅では、居住支援法人等が大家と入居者の間に立って入居後の生活を支える、重要な役割を担います。 法人の指定は都道府県知事が行い、NPO法人・社会福祉法人・一般社団法人など多様な主体が活動しています。

主な支援内容

  • 入居相談・物件案内・契約サポート
  • 安否確認・定期訪問・見守り
  • 緊急時対応・救急連絡・関係機関との調整
  • 福祉サービスや医療・介護機関へのつなぎ
  • 生活困窮者自立支援・就労支援への接続

大家・管理会社との関係

  • 居住安定援助計画の策定段階から連携し、支援体制を明確化する。
  • 入居後のトラブル発生時には、大家側の窓口として一次対応する。
  • 令和7年10月施行の改正法により、居住支援法人の業務として「入居者からの委託に基づく残置物処理」が追加され、入居者死亡時の残置物処理を円滑に行える体制が整備された。

地域の居住支援法人は 事業者検索 から探せます。

セーフティネット住宅と居住サポート住宅の違い

「セーフティネット住宅」と「居住サポート住宅」は混同されがちですが、登録の仕組みと支援の手厚さに違いがあります。

セーフティネット住宅(登録制度)

  • 要配慮者の入居を拒まない住宅として、都道府県・政令市・中核市に登録。
  • 住宅としての基準(耐震・床面積等)を満たすことが要件。
  • 入居後の支援は法人による支援を必ずしも前提としない。

居住サポート住宅(認定制度)

  • 住宅としての基準に加え、居住支援法人等による支援体制を含む居住安定援助計画を認定。
  • 福祉事務所を設置する市区町村長等(福祉事務所未設置の町村区域では都道府県知事)が認定する。
  • 入居後の安否確認(1日1回以上)・見守り(月1回以上の訪問等)・福祉サービスへのつなぎが組み込まれる。

居住サポート住宅と関連する補助制度

居住サポート住宅の活用にあたっては、改修費・家賃等に関する複数の補助制度が用意されています。

居住サポート住宅改修事業

バリアフリー改修、耐震改修、共同居住用住居への用途変更、間取り変更、子育て世帯対応改修、防火・消火対策、交流スペース設置、省エネ改修、安否確認設備の改修、防音・遮音工事、調査設計計画(インスペクション含む)等が補助対象です。 補助率や上限額は年度ごとの交付申請要領で確認します。

改修事業の要件セルフチェック補助額の試算

家賃・家賃債務保証料の低廉化補助

低額所得者が入居する専用住宅において、家賃と家賃債務保証料の低廉化補助が用意されています。 実施条件・補助額は地方公共団体ごとに異なるため、所在自治体の窓口で確認してください。

居住サポート住宅に関するよくある質問

居住サポート住宅とは何ですか。

居住支援法人等が大家と連携し、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ等を行う住宅で、 福祉事務所を設置する市区町村長等が居住安定援助計画を認定する制度です。 住宅セーフティネット制度の枠組みのもと、令和6年改正法(令和7年10月1日施行)により創設されました。

セーフティネット住宅と居住サポート住宅は何が違いますか。

セーフティネット住宅は「要配慮者の入居を拒まない住宅」としての登録制度であり、 居住サポート住宅は加えて居住支援法人等による入居後の支援が居住安定援助計画として認定された住宅です。

誰が認定する制度ですか。

福祉事務所を設置する市区町村長(市長・特別区長等)が認定します。福祉事務所を設置していない町村区域では都道府県知事が認定します。

大家にとってのメリットは何ですか。

居住支援法人による入居者の見守り・支援、改修費補助や家賃債務保証料の低廉化補助の対象となり得ること、 生活保護受給者の住宅扶助費の代理納付(居住サポート住宅では法律上原則化)の仕組みが利用できることなどが挙げられます。

申請はどのように行いますか。

所在地の認定窓口へ事前確認のうえ、居住サポート住宅 情報提供システムでアカウント登録・電子申請を行います。 詳細は 申請方法 をご確認ください。

次のアクション

居住サポート住宅の理解を深めたら、次のステップに進みましょう。